日本の住まいに学ぶ 土間
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土間のある家
自転車を置く、薪ストーブを据える、外遊びの道具を広げる。最近の家づくりで「土間」がよく話題になる。けれど土間は新しいものではない。日本の家には、ずっと前から、靴のまま使える広い場所があった。
1土間とは
辞典は土間を、建物の中で床を張らず、地面のままか、三和土(たたき)やタイル張りなどにした所と説明している1。家の中で土足で歩く場所であり、ニワとも呼ばれ、古くから農作業の場とされてきた1。
江戸時代の住宅では、台所に広い土間をとり、かまどや流しを設けて作業場にしていた1。
2民家園で見る土間
川崎市立日本民家園に移された旧岩澤家住宅は、江戸時代中期の茅葺きの民家で、建てられたのは17世紀末ごろと推定されている。もとは神奈川県清川村煤ヶ谷の山あいにあった2。
規模は桁行14.5メートル、梁行7.3メートル。間取りは神奈川の古民家に多い広間型の3間取りで、土間(ダイドコロ)と床上の3室からなる2。家の長辺の大きな部分を、台所を兼ねた土間が占めていたことがわかる。
民家園の解説は、土間まわりの外壁だけを土壁にして、ほかの外壁は板壁にする使い分けが珍しいこと、土間の妻側に格子窓を設けるのも類例が少ないことを挙げている2。火を使い、煙の出る土間は、壁の材料や窓の取り方も、ほかの部屋と分けて考えられていた。
3土間の寒さは、基礎から来る
土間のいちばんの悩みは冬の寒さである。一級建築士が書いたコラムは、玄関土間は家のなかでも外気にもっとも触れやすい場所で、何も対策をしないと、外の冷たさが基礎のコンクリートを通して室内に伝わると説明している3。
同じコラムは、仕上げのモルタルが基礎の立上りとつながっていると熱橋(熱の通り道)になり、そこから冬の冷たさが入ることも指摘している3。断熱は、土間の下だけでなく、基礎の立上りとのつなぎ目まで考える必要がある。
4乾式の土間という選択
このコラムは、湿式のコンクリートを使わずに、軽い断熱材と床材で土間の床を組み立てる「乾式土間床工法」を紹介している。土間を土で埋め戻さず、床下に空間を残して、仕上げ材のすぐ下に断熱材を入れる方法である3。
ただし、玄関ドアの下の沓摺(くつずり)まで断熱材が届いているか、室内との段差は何センチになるか、雨水がたまらないか、基礎の断熱の納まりを示した詳しい図面があるか、といった点は、工事会社によって違う。契約の前に、図面で確かめておきたい3。
5いまの家の土間
いまの土間は、漆喰や珪藻土、コンクリートやタイルなどで仕上げることが多い1。玄関を広げた「玄関土間」は、ベビーカーや自転車、アウトドアの道具を置ける。リビングの一部を土間にすれば、薪ストーブや植物を置いて、内と外のあいだのような場所になる。
土間は床が低いぶん、冬は足元が冷えやすい。上に書いた断熱の考え方に加えて、床暖房や、居室との間の建具で冷気を止める方法がある。また、土間を広く取るほど、ほかの部屋は狭くなる。何を置き、何に使うかを決めてから広さを決めるといい。
岩澤家の土間は、炊事も作業も一手に引き受けていた。いまの土間は、そこまで多くを背負う必要はない。自転車、ベビーカー、雨の日の洗濯物、アウトドアの道具。使うものを先に書き出して、収納の量と、土足で動く広さを分けて決めると、土間が荷物置き場になるのを防げる。
土間のある叩き台を描く
玄関を土間にした型で、間取りの叩き台と、建つ見込み、金額の幅を出します。
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注
- 「土間」コトバンク(デジタル大辞泉、改訂新版 世界大百科事典、ブリタニカ国際大百科事典、リフォーム用語集)。https://kotobank.jp/word/土間
- 川崎市「旧岩澤家住宅」。年代、旧所在地、規模、間取り、土壁と格子窓の解説。https://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000000276.html
- 「土間断熱で快適な住まいを!乾式工法やユニットバス下部の断熱も徹底解説」leaf-arc(2025年1月11日、一級建築士による)。基礎からの冷え、熱橋、乾式土間床工法、確認事項。https://leaf-arc.com/column/post-5218/
2026年10月10日確認
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