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名作住宅に学ぶ

No.45 / 49

斜面に、4階を寝かせる。

芦屋川の東の丘に、大谷石の柱と2本の煙突が立っている。4階建てなのに、どこを切っても1階か2階ぶんの高さしかない。ヨドコウ迎賓館は、斜面に沿って家を寝かせた。

青空の下、大谷石の柱と2本の煙突が立つヨドコウ迎賓館を見上げた外観
大谷石の柱と、2本の煙突。 写真:663highland/「Yamamura house07n4272.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY 2.5

酒造家の別邸

芦屋市の資料によれば、この家は、灘の酒造家「櫻正宗」の8代目当主・山邑太左衛門の別邸として建てられた。原設計はフランク・ロイド・ライトで、1918年に設計したが、着工前に帰国した。実施設計は弟子の遠藤新と南信が担い、1924年に完成した。

鉄筋コンクリート造の4階建てで、延べ面積は約542平方メートル。

山の斜面の緑の上に、水平に重なるヨドコウ迎賓館を遠景で見た外観
斜面の緑の上に、水平に重なる。 写真:663highland/「Yamamura house04s3200.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY 2.5

どこを切っても、1〜2階ぶん

建物は丘の斜面に沿って、階段状に置かれている。芦屋市の資料は、4階建てでありながら、どの断面も1〜2階ぶんの構造になっていると説明している。

天井近くに、170の小窓

各部屋の天井付近には、合わせて170の小窓がある。この建物には天井の照明がなく、そのうち120が、自然の光を採る役目を持つ。小窓の外側には、幾何学模様の飾りがついている。

2階の応接室には、大谷石のマントルピース。大谷石は軽くて軟らかく、「ミソ」と呼ばれる斑点のある石で、ライトは日本で設計したほとんどの建物に使った。

大谷石の柱と深い庇に囲まれた、ヨドコウ迎賓館の半屋外の空間
大谷石の柱と、深い庇の下。 写真:663highland/「Yamamura house03s3200.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY 2.5

自分の家に持ち帰るなら

傾斜地を、制約ではなく断面の面白さに変えること。段差に沿って床をずらすと、高さを抑えたまま、部屋ごとに違う景色が生まれる。

もうひとつは、壁の高い位置の小窓。家具を置く壁を潰さずに光を入れられるので、小さな家でこそ効く。名作の図面をそのまま写して建てることは、著作権の上で問題になる場合がある。借りるのは考え方で、寸法や部屋割りではない。

この家を見に行くには

1974年5月21日、鉄筋コンクリート造の住宅建築として初めて、国の重要文化財に指定された。1989年から「ヨドコウ迎賓館」として公開されている。

公式サイト(2026年10月時点)によれば、開館は通常、水・土・日・祝日の10時から16時(入館は15時30分まで)。入館料は大人1,000円、学生500円で、2026年10月に、公開以来はじめて改定された。訪ねる前に、開館カレンダーを確かめてほしい。

張り出した大きな庇と大谷石の柱を、下から見上げたヨドコウ迎賓館
張り出す庇を、見上げる。 写真:663highland/「Yamamura house09n4272.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY 2.5

段のある家の叩き台を描く

住所と家族の人数を入れると、この型で叩き台を描き、建つ見込みと金額の幅を示します。

「デザイナーズ」で設計する

無料。叩き台であり、最終的な可否と金額は住宅会社が決めます。

参考:芦屋市「芦屋の近代建築」(ヨドコウ迎賓館)、ヨドコウ迎賓館 公式サイト。

2026年10月10日確認

国・自治体とは関係のない、民間のサービスです。