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名作住宅に学ぶ

No.44 / 49

通りには静かに、内側に色を。

通りから見ると、ほとんど仕上げていないような、素っ気ない壁。けれど一歩入ると、紫、橙、黄色の壁が、光の中に立っている。ルイス・バラガンの自邸は、見せる場所を内側に取った。

橙・紫・灰色の壁が重なるバラガン邸の屋上テラス
屋上のテラス。橙と紫の壁が、空を切り取る。 写真:Francesco Bandarin/「Luis Barragán House and Studio-115239.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 3.0 IGO

庶民の町に建てた自邸

公式サイトによれば、自邸の工事は1947年に始まった。同じころ、バラガンは高級住宅地ペドレガルの開発を手がけていたが、自邸はそこではなく、庶民的な旧タクバヤ地区に建てた。メキシコ国立人類学歴史研究所の記載では、建設は1947年から1948年、コンクリート造で、延べ面積は1,161平方メートルだ。

バラガンは、1988年に亡くなるまでここで暮らし、働き、改修も自ら指揮した。

外は、近所と同じ顔

公式サイトは、通りに面した外観を、近隣と並ぶ「ほぼ未仕上げに見える」壁面と書いている。外壁の大半は、塗ったコンクリートの色と粗さのまま。塗装は出入口の扉と窓の金物だけで、外から目立つのは書庫の半透明の格子窓くらいだ。

色が使われているのは、外観の左上の隅の、黄色と橙の2面。白い給水塔が、てっぺんを締める。

黄色い格子状の窓に光が当たる、バラガン邸の中庭の水盤と壁
黄色い格子の窓と、水盤。 写真:Francesco Bandarin/「Luis Barragán House and Studio-115241.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 3.0 IGO
紫色の壁に蔓植物が垂れ下がる、バラガン邸の屋上テラス
紫の壁と、垂れ下がる緑。 写真:Daniel Case/「Overhanging plants on roof of Luis Barragán House, Mexico City.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 3.0

自分の家に持ち帰るなら

道路側を静かにすること。小さな家ほど、通りに向けては窓を絞り、守りを固めて、見せ場は内側の中庭や屋上に取る。そのほうが、カーテンを閉めずに暮らせる。

もうひとつは、色を「ここだけ」と決めること。全面を塗るより、隅の2面や扉だけに色を絞るほうが、効きは強い。名作の図面をそのまま写して建てることは、著作権の上で問題になる場合がある。借りるのは考え方で、寸法や部屋割りではない。

壁から張り出した木の板が段になる、バラガン邸の浮遊階段
壁から張り出す、木の段。 写真:Francesco Bandarin/「Luis Barragán House and Studio-115242.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 3.0 IGO

この家を見に行くには

1988年にメキシコ政府が芸術的モニュメントに指定し、世界遺産にも登録されている。公式サイト(2026年10月時点)によれば、見学は事前にウェブで購入する必要があり、12歳未満は入れない。日時と空きは、公式の購入画面で確かめてほしい。

中庭を内側に取る叩き台を描く

住所と家族の人数を入れると、この型で叩き台を描き、建つ見込みと金額の幅を示します。

「デザイナーズ」で設計する

無料。叩き台であり、最終的な可否と金額は住宅会社が決めます。

参考:Casa Luis Barragán 公式サイト「La Casa」「Visitas」、メキシコ国立人類学歴史研究所(INAH)「Casa Luis Barragán」。

2026年10月10日確認

国・自治体とは関係のない、民間のサービスです。