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名作住宅に学ぶ 東孝光「塔の家」1966年

No.15 / 49

狭小住宅の原点

東京・渋谷区の大通り沿いに、6坪あまりの敷地に建つ細いコンクリートの塔がある。建築家・東孝光が1966年に建てた自邸「塔の家」だ。狭い土地で家を建てようとしている人にとって、この家はいまも、狭さとどう付き合うかの手本になっている。

塔の家の外観。打放しコンクリートの細い塔が、通りに面して建っている
通りに面した塔の家。 写真:110kuwahara/「Towerhouse 1.JPG」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 3.0

120平方メートルに、6層

塔の家の敷地面積は20.56平方メートル、建築面積は11.80平方メートル。鉄筋コンクリート造で地下1階・地上5階、延床面積は60.05平方メートルある。竣工は1966年10月1。

玄関を除けば、トイレや浴室を含めて扉が一つもなく、間仕切りもない2。部屋は上へ上へと積み重なり、階段でつながっている。

塔の家と隣のマンション。細い塔が周りの建物に挟まれている
周りの建物と並ぶと、敷地の小ささがよくわかる。 写真:110kuwahara/「Towerhouse 2.JPG」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 3.0(通りの車が写らないよう一部を切り取った。改変後もCC BY-SA 3.0)

2見えないけれど、気配がわかる

現在この家を受け継いでいるのは、ここで育った娘の東利恵さんだ。インタビューでは、玄関を入った2階がLDKで、2階から3階までは吹抜け、最上階の5階までは階段室で空間がつながっていると説明している1。

「実際に暮らしていて『狭い』と思ったことはありません」。家族の姿は直接見えなくても、音で気配が感じられるのだという1。仕切らないことが、小さな家を広く感じさせている。

3狭小住宅を建てるなら

敷地が小さいときは、床を横に広げられない分、縦につなげる発想が役に立つ。吹抜けや階段を家の真ん中に置くと、光と空気が上下に通り、家族の気配もつながる。

ただし、仕切りが少ないほど冷暖房は家全体で考える必要がある。また狭い敷地では、建ぺい率や高さの制限、隣の家との距離の決まりが効いてくる。建てられる大きさの見込みを、まず確かめておきたい。

小さな敷地で、何階まで建つか確かめる

住所と敷地の広さを入れると、建てられる大きさの見込みと間取りの叩き台、金額の幅が出ます。

「小さな総二階と吹抜け」で設計する

無料。叩き台であり、最終的な可否と金額は住宅会社が決めます。

この家を見に行くには

塔の家は個人の住まいである。2017年度には東京都選定歴史的建造物に選ばれている1。外から眺めるときも、住まう人の暮らしを妨げないようにしたい。

注

  1. 「LIXIL eye no.29」LIXIL。所在、構造、面積、竣工、選定、東利恵さんの言葉。https://www.biz-lixil.com/column/pic/lixileye/no029/LIXILeye_no029_02.pdf
  2. 「塔の家」Wikipedia。扉と間仕切り。https://ja.wikipedia.org/wiki/塔の家

2026年10月10日確認

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