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名作住宅に学ぶ 前川國男邸 1942年

No.16 / 49

吹抜けの居間

東京都小金井市の江戸東京たてもの園に、黒い板張りの大きな切妻屋根の家が建っている。建築家・前川國男が1942年に建てた自邸だ。家の真ん中にある2層分の高さの居間は、いまも訪れる人を驚かせる。

前川國男邸の外観。大きな切妻屋根の下に、格子の大きな窓と1本の柱
大きな切妻屋根と、格子の大きな窓。窓の前に柱が1本立つ。 写真:Kakidai/「House of Kunio Maekawa.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 4.0

1資材の乏しい時代に

前川國男邸は1942年、品川区上大崎に建てられた。戦時体制下で建築資材の入手が難しかった時期の竣工である。外観は和風の切妻屋根で、内部は吹抜けの居間を中心に、書斎と寝室を配したシンプルな間取りになっている1。

建築面積は小さく抑えながら、大屋根の中央に吹抜けの居間と、ロフトのような2階を置いている2。

前川國男邸の居間。2層分の高さの吹抜けに、2階の手すりと木の階段が見える
吹抜けの居間。2階の床が居間に張り出し、木の階段で上がる。 写真:t.ohashi/「Inside House-Kunio-Maekawa in the Edo-Tokyo Open Air Architectural Museum.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY 2.0

2家の真ん中を高くする

居間を2層分の高さにすると、床面積は同じでも、部屋に入ったときの広がりがまるで違って感じられる。大きな窓から入った光が高い位置から部屋の奥まで届き、2階とも声や気配がつながる。

前川國男邸では、居間の両側に書斎や寝室を寄せ、家族が集まる場所だけを高くしている。全部の部屋を高くするのではなく、メリハリをつけているのがポイントだ。

夜の前川國男邸の居間。照明に照らされたロフトと階段、ソファと食卓
夜の居間。ロフト、階段、ソファと食卓。 写真:Kestrel/「House of Kunio Maekawa PB242454.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 4.0

3吹抜けのある家を建てるなら

吹抜けは暖かい空気が上にたまりやすいので、断熱と冷暖房の計画を一緒に考えたい。天井のファンや、床からの暖房がよく組み合わされる。

また、吹抜けを取るぶん2階の床は減る。2階の床が減ると壁の配置にも影響するので、建てられるかどうかを早めに確かめておくと安心だ。

吹抜けのある家の叩き台をつくる

住所と家族の人数を入れると、吹抜けのある型で叩き台を描き、建つ見込みと金額の幅を示します。

「デザイナーズ」で設計する

無料。叩き台であり、最終的な可否と金額は住宅会社が決めます。

この家を見に行くには

前川國男邸は東京都小金井市の江戸東京たてもの園(都立小金井公園内)に移築され、1997年から公開されている。2014年度に東京都指定有形文化財に指定された3。開園日や時間は公式サイトで確かめたい。

注

  1. 江戸東京たてもの園「西ゾーン」前川國男邸。建築年代、旧所在地、説明。https://www.tatemonoen.jp/restore/intro/west.php
  2. 「江戸東京たてもの園」Wikipedia。吹抜けの居間とロフト風の2階。https://ja.wikipedia.org/wiki/江戸東京たてもの園
  3. 江戸東京たてもの園「沿革」。公開開始と文化財指定。https://www.tatemonoen.jp/about/overview.php

2026年10月10日確認

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