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名作住宅に学ぶ

No.41 / 49

ガラスの箱を、地面から浮かせる。

白い鋼の柱が8本。そのあいだに、床と屋根の2枚の板が、地面から少し浮いている。壁は、ほとんどガラスだけ。ミース・ファン・デル・ローエのファンズワース邸は、家を「床と屋根」まで削った。

秋の木々を背景に、白い鉄骨の柱で地面から浮いたファンズワース邸の全景
秋の木立の前に浮かぶ、白い箱。 写真:Lessismore2020/「Farnsworth House Exterior 2.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 4.0

医師の、週末の家

施主は、シカゴの医師エディス・ファンズワース。イリノイ州プレイノのフォックス川沿いに、週末の家として計画された。米国国立公園局の申請書によれば、設計は1947年にまとまり、資金の事情で着工は1949年9月、完成は1951年だった。

柱は外側に、8本だけ

床と屋根は、外周に立つ8本の鋼の柱に、溶接で取り付けられている。申請書が引く記述では、柱の間隔は6.60メートル、室内の天井の高さは約2.85メートル。室内に柱はなく、台所と浴室を収めた「コア」だけが空間を区切る。

外壁は、床から天井までのガラス。細い鋼の方立が区切るだけで、玄関の扉もガラスだ。

床から天井までの大きなガラス面から外光が差し込む、ファンズワース邸の室内
床から天井までのガラス。室内を区切るのは、木のコアだけ。 写真:Lessismore2020/「Farnsworth House Interior.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 4.0

素材は、3つずつ

申請書は、外部の主な素材を「白く塗った鋼、トラバーチン、透明なガラス」の3つ、室内を「木、石、漆喰」の3つと書いている。造り付けの家具は、プリマベーラ材の突板で仕上げられている。

浮かせても、水は来た

床は、地面から5フィート3インチ、約1.6メートル持ち上げられている。洪水に備えた高さだったが、周辺の開発で水位が上がり、1996年の洪水では室内が損傷し、修復された。

落ち葉の積もったテラスの先に、白い水平の箱が浮かぶファンズワース邸
落ち葉の上の、水平な床。 写真:Victor Grigas/「Farnsworth House by Mies Van Der Rohe - exterior-8.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 3.0

自分の家に持ち帰るなら

素材と色を、3つほどに絞ること。小さな家ほど、素材の数が少ないと、狭さより整った印象が出やすい。

もうひとつは、床の高さを、土地の履歴から決めること。川や低い土地なら、ハザードマップと照らし合わせて床を上げる。持ち上げても浸水はありえる、というのが、この家の正直な記録だ。名作の図面をそのまま写して建てることは、著作権の上で問題になる場合がある。借りるのは考え方で、寸法や部屋割りではない。

この家を見に行くには

2003年にナショナル・トラストなどが取得し、2004年から一般公開されている。2021年に「エディス・ファンズワース・ハウス」と名前を改めた。見学はチケット制で、季節や時間は年によって違う。公式の予約ページで確かめてほしい(2026年10月時点)。

ひと続きの大きな部屋を描く

住所と家族の人数を入れると、この型で叩き台を描き、建つ見込みと金額の幅を示します。

「大きなLDKの家」で設計する

無料。叩き台であり、最終的な可否と金額は住宅会社が決めます。

参考:米国国立公園局 国定歴史建造物申請書(Farnsworth House)、National Trust for Historic Preservation「Farnsworth House」、Shaw Local(2026年3月19日)。

2026年10月10日確認

国・自治体とは関係のない、民間のサービスです。