名作住宅に学ぶ
No.40 / 49
滝の上に、居間をかける。
川の流れの上に、クリーム色の床が何枚も重なって張り出している。フランク・ロイド・ライトの「落水荘」は、敷地のいちばん動かせないもの――滝と岩――を、家の真ん中に据えた。
百貨店主の、夏の家
落水荘は、ピッツバーグの百貨店経営者エドガー・J・カウフマンの家族のために、1935年に設計された。米国国立公園局の国定歴史建造物の申請書は、この家を「夏の家」と書いている。1937年に主屋ができ、客用の棟などを含めて1930年代の終わりに完成した。
構造は、地元で採れた砂岩の壁や柱、暖炉の芯と、片持ちの鉄筋コンクリートの床。窓と扉の枠は鋼でできている。
岩が、そのまま炉床になる
申請書が引く施主自身の記述によれば、暖炉の塊は大きな岩の上に据えられ、岩の自然な上面が、そのまま居間の炉床になっている。居間の食卓の脇には、滝の下へ降りる階段のついたガラス戸もある。
家具の多くは造り付けで、ライトが家と一緒に設計した。内装の木部は黒クルミの合板、床は屋内も屋外も、地元の砂岩の敷石だ。
部屋は、意外なほど少ない
申請書は、この家の部屋を「居間、寝室3つ、サービスの諸室」と書き、それをバルコニーやテラスが四方に広げている、と説明している。床面積を増やす代わりに、外へ張り出した床が居場所を足しているのだ。
自分の家に持ち帰るなら
ひとつは、敷地の「動かせないもの」を先に決めること。木、段差、眺め。小さな敷地でも、それを中心に部屋を並べると、間取りに理由が生まれる。
もうひとつは、部屋を増やすより、テラスやバルコニーを「もう一部屋」として数えること。造り付けの家具も、小さな家では床を節約する手になる。名作の図面をそのまま写して建てることは、著作権の上で問題になる場合がある。借りるのは考え方で、寸法や部屋割りではない。
この家を見に行くには
1963年、エドガー・カウフマン・ジュニアが、周辺の森とともに西ペンシルベニア保全協会に託し、1964年から博物館として公開されている。2019年に世界遺産に登録された。約3年の保存工事を経て、2026年3月に足場が外れた。
見学の日程や料金は年によって変わる。訪ねる前に、運営団体の公式サイトで確かめてほしい。
外へ広がる居間の叩き台を描く
住所と家族の人数を入れると、この型で叩き台を描き、建つ見込みと金額の幅を示します。
「大きなLDKの家」で設計する無料。叩き台であり、最終的な可否と金額は住宅会社が決めます。
参考:米国国立公園局 国定歴史建造物申請書(Fallingwater)、Western Pennsylvania Conservancy「Fallingwater」、ArchDaily(2026年4月6日)、IHBC NewsBlog。
2026年10月10日確認
国・自治体とは関係のない、民間のサービスです。