← 記事

名作住宅に学ぶ 田園調布の家(大川邸)1925年

No.23 / 49

居間を中心にした家

廊下を減らして、家の真ん中に居間を置く。いまでは当たり前のこの間取りを、100年前に実践した家がある。1925年に田園調布に建てられた大川邸は、家族が集まる場所を家の中心に据えた洋風の郊外住宅だ。

田園調布の家(大川邸)の外観。下見板張りの外壁に低い屋根、テラスにパーゴラ
下見板張りの外壁と、テラスのパーゴラ。 写真:Suikotei/「House of Okawa in Denenchofu.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 4.0

1田園都市の家

大川邸は1925年、大田区田園調布に建てられた1。「田園都市」の理想のもとに開発された郊外住宅地の、大正期の洋風住宅である。外壁は下見板張りで、テラスにはパーゴラが設けられている2。

大川邸の書斎。コーナーの連続窓の前に、木の机と椅子がある
書斎の、角をまわる連続窓と、木の机。 写真:Kentaro Ohno/「House of Okawa in Denenchofu 20130323-15.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY 2.0

2居間が真ん中にある

居間を中心に、食堂・寝室・書斎が配置されている。当時としては珍しく、全室が洋間である1。

居間を家の中心に置くと、どの部屋へ行くにも居間を通ることになり、家族が自然と顔を合わせる。廊下が少なくなるぶん、同じ広さでも部屋を大きく取れる。

大川邸の居間。大きな照明、ピアノ、ソファ、出窓
居間。出窓に沿ってソファが置かれ、ピアノがある。 写真:Kentaro Ohno/「House of Okawa in Denenchofu 20130323-04.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY 2.0
大川邸の造り付けの棚。開口の向こうに食堂が見える
造り付けの棚の開口から、食堂が見える。 写真:t.ohashi/「House of Okawa in Denenchofu 20090919.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY 2.0
大川邸の台所。古いホーロー製のオーブンと、木の流し台がある
台所の、古いホーローのオーブンと木の流し台。 写真:Kentaro Ohno/「House of Okawa in Denenchofu 20130323-07.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY 2.0

3居間中心の家を建てるなら

居間を通らないと個室に行けない間取りは、家族の気配を感じやすい反面、来客や生活時間のずれがあると気になることもある。玄関から直接個室へ行ける動線を1本残しておく、という折り合いのつけ方もある。

居間を中心にするなら、そこに階段を置く「リビング階段」も選択肢になる。住宅プランナーの「デザイナーズ」の型は、階段をLDKの中に置いて叩き台を描く。

居間が中心の叩き台を描く

住所と家族の人数を入れると、リビング階段の型で叩き台を描き、建つ見込みと金額の幅を示します。

「デザイナーズ」で設計する

無料。叩き台であり、最終的な可否と金額は住宅会社が決めます。

この家を見に行くには

大川邸は東京都小金井市の江戸東京たてもの園に移築され、公開されている1。開園日や時間は公式サイトで確かめたい。

注

  1. 江戸東京たてもの園「西ゾーン」田園調布の家(大川邸)。建築年代、旧所在地、説明。https://www.tatemonoen.jp/restore/intro/west.php
  2. 「江戸東京たてもの園」Wikipedia。田園都市、外壁とパーゴラ。https://ja.wikipedia.org/wiki/江戸東京たてもの園

2026年10月10日確認

国・自治体とは関係のない、民間のサービスです。