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住まいの言い分 Vol.4

No.27 / 49

6畳は、6畳じゃない。

「6畳の部屋」と聞いて、頭に浮かぶ広さは、人によって、育った地域によって、ちょっとずつ違う。畳は日本中にあるのに、一畳は、日本中で同じ大きさではない。

障子から光が入る畳の部屋に、座卓と座布団。
障子と格子を抜けた光が、畳に縞をつくる。 写真:pedarun/Unsplash/Unsplash License
畳の広間に、机と椅子が並んでいる寺の座敷。畳の縁の線が部屋を区切って見える
畳の広間に、机と椅子を置いた座敷。縁の線が、畳の1枚ずつを見せている。 写真:Emuchan/「Inryoji Temple Tatami.jpg」(Wikimedia Commons)/CC0

一畳には、4つの大きさがある

関西を中心にした京間(本間)は、1,910×955ミリ。中京地方の中京間は1,820×910ミリ。関東の江戸間(関東間)は1,760×880ミリ。そして、集合住宅に多い団地間は、1,700×850ミリ。

京間と団地間では、長い辺で210ミリ、短い辺で105ミリの差がある。手のひら1つぶんよりは、大きい。

一畳の大きさ比べ。京間、中京間、江戸間、団地間を左上の角をそろえて重ねた平面図
4つの一畳を、左上の角をそろえて重ねた。 イラスト:住宅プランナー。寸法は主要な資料に載っている値で、地域の範囲はおおよそ。

6畳にすると、2平方メートル違う

畳1枚の面積は、京間でおよそ1.82平方メートル、団地間でおよそ1.45平方メートル。これを6枚並べると、畳の面積だけで、京間は約10.9平方メートル、団地間は約8.7平方メートルになる。同じ「6畳」でも、2平方メートル以上、違う。

関西の古い家で6畳と言われた部屋と、団地の6畳は、並べてみれば、別の広さだ。

群馬県の旧土岐家住宅の和室。床の間と、縁のある畳敷きの座敷
旧土岐家住宅の和室(群馬県沼田市)。畳の縁が、部屋の寸法を描いている。 写真:妖精書士/「Washitsu in Toki-ke house.jpg」(Wikimedia Commons)/CC0

不動産の「6畳」は、別の物差し

不動産の広告には、もうひとつの決まりがある。不動産の表示に関する公正競争規約の施行規則は、居室の広さを畳数で表示するとき、畳1枚あたりの広さは1.62平方メートル以上という意味で用いることとしている。この広さは、各部屋の壁の中心線で測った面積を、畳の数で割った数値である。

つまり、広告の6畳は、9.72平方メートル以上。畳そのものの寸法とは、別の物差しで数えている。

奈良県の高木家住宅の座敷。床の間、障子、縁のある畳
奈良県橿原市の高木家住宅の座敷。畳の縁が、床の間まで続いている。 写真:ignis/「Takagike Kashihara JPN 001.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 3.0
襖が続く奥行きのある畳の部屋。
襖が奥まで続く、畳の部屋。 写真:enkuu smile/Unsplash/Unsplash License

柱で割るか、畳で割るか

地域で畳の大きさが違う背景には、家の寸法の決め方の違いがある。おおまかには、東日本は柱の中心から中心までの間隔で決める柱真々制、西日本は畳の寸法で部屋を割り付け、そこから柱の位置が決まる畳割制だった。

東日本は柱で割るから、部屋の大きさに合わせて畳が決まる。西日本は畳で割るから、どの部屋でも畳は同じ大きさ。ただし、東北や関東にも畳割りの民家は広くあった。「おおむね」の話である。

畳の表面を低い位置から撮った写真。い草の目が奥まで揃って並び、緑色の縁が見える
い草の目と、緑の縁。低い位置から。 写真:[cipher]/「Texture of tatami; August 2007.jpg」(Wikimedia Commons)/CC BY-SA 2.0

畳は、表と床と縁でできている

畳は、表面の畳表と、芯になる畳床が主な部分で、切り口は畳縁で隠しながら、畳床に縫いつけて止める。畳表になるい草は、熊本県の八代あたりが主な産地として知られる。

畳の寿命は、使い方によるが、表替えをしながら長く使える。床の間の寸法も、押入れの幅も、畳の寸法を基準に作られてきたから、畳の大きさは、家のほかの寸法まで決めている。

巻いた畳表の束。い草を織った細長い畳表が、ロール状に何本も積まれている
巻いた畳表の束。 写真:Chojugiga/「Tatami-omote.jpg」(Wikimedia Commons)/CC0

起きて半畳、寝て一畳

「起きて半畳、寝て一畳」という言葉がある。人間に必要な広さは、起きているときは半畳、寝ても一畳あれば足りる、という教えだ。贅沢は慎むべし、という意味で使われる。

そう言われても、家を建てるときは、そうはいかない。大事なのは、畳の数ではなく、自分がどの物差しで広さを聞いているのか、知っておくことだと思う。

開け放った障子の向こうに庭が見える畳の部屋と、低い座卓。
開け放った障子の向こうに、庭。 写真:Winged Jedi/Unsplash/Unsplash License

家を建てるなら

間取り図の「6畳」は、いくつの畳で、どの物差しで数えた6畳なのか。住宅会社に確かめてほしい。柱で割るのか、畳で割るのか。家具を置くときは、畳の数ではなく、実際の寸法で考えるほうが、失敗しにくい。

住宅プランナーの間取りは、1マスを910ミリ(尺モジュール)か1,000ミリ(メーターモジュール)で組み、部屋の広さを畳数でも示している。そのときの1畳は1.62平方メートルとして数えている。数え方がわかれば、広さの感覚も、ずれにくくなる。

畳数で、間取りを見てみる

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参考:Wikipedia「畳」、不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」、コトバンク「起きて半畳寝て一畳」、熊本県工芸館。

2026年10月10日確認

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