住まいの言い分 Vol.7
No.30 / 49
窓は、大きさだけでは数えない。
窓は大きいほど明るい。そう思って図面を引くと、法律のほうは、ちがう数え方をしている。
居室には、窓の下限がある
建築基準法の第28条は、住宅の居室に、採光のための窓を設け、採光に有効な部分の面積を、床面積に対して一定の割合以上にするよう定めている。住宅の居室の割合は、施行令第19条で7分の1。
対象は「居室」である。居住、執務、作業、集会、娯楽などのために継続的に使う部屋のことで、廊下や玄関、トイレまで一律に7分の1が要るわけではない。
10平方メートルの寝室なら、必要な有効面積は、10÷7でおよそ1.43平方メートルだ。
数えるのは、窓の面積ではない
施行令第20条によれば、有効面積は、窓ごとの面積に「採光補正係数」をかけて足し合わせる。係数は用途地域によって式が違い、住居系の地域では「採光関係比率×6.0−1.4」。採光関係比率は、隣地境界線までの水平距離を、窓の中心から上の出っ張りまでの垂直距離で割った値だ。
数字を当てはめてみる。隣地境界線まで水平に1.0メートル、窓の中心から上の出っ張りまで垂直に3.0メートルの窓は、1.0÷3.0×6.0−1.4で、係数が0.6。1.6平方メートルの窓でも、有効面積は約0.96平方メートルにしか数えられない。同じ窓で隣地まで3.0メートルあれば、係数は上限の3.0になる。
これは条文の式に当てはめた計算例で、実際には、どこを隣地境界線の距離とみなすかなど、役所の運用の確認が要る。
北向きは、条文に出てこない
「北向きの窓は暗いから、大きく取る」。体感としては、よく聞く話だ。ただ、施行令第20条の式に、方位は出てこない。効くのは、隣地境界線までの距離と、窓の上の出っ張りの高さである。
北側の窓が暗く感じるのは、直射日光が入りにくいからで、法律の数え方とは別の話だ。
照明を足すと、1/10まで
2023年4月1日の施行令の改正で、一定の照明設備を設ければ、住宅の居室の割合を、7分の1から最大10分の1まで緩められるようになった。
国土交通省は、意見募集の回答で、居室の床面のすべてで50ルクス以上を確保する必要があり、照明が故障したり取り替えたりして基準を下回れば違反になると説明している。窓をなくせるわけではない。
家を建てるなら
隣の家が近い敷地ほど、窓は割り引かれやすい。図面の窓が「有効面積で何平方メートルに数えられるのか」を、住宅会社に聞いてみてほしい。数字で答えが返ってくれば、その会社は、窓の数え方を見て設計している。
住宅プランナーの判定は、採光までは見ていない。間取りの叩き台で部屋の広さを決めたうえで、窓については住宅会社と設計者に確かめてほしい。
部屋の広さから、窓を考える
住所と家族の人数を入れると、間取りの叩き台と、建つ見込み、金額の幅が出ます。
間取りの叩き台をつくる無料。叩き台であり、最終的な可否と金額は住宅会社が決めます。
参考:建築基準法 第28条、同法施行令 第19条・第20条(e-Gov法令検索)、国土交通省「照明設備の設置、有効な採光方法の確保その他これらに準ずる措置の基準等を定める件の一部を改正する告示案に関する意見募集の結果」(2023年2月)。
2026年10月10日確認
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