住まいの言い分 Vol.11
No.34 / 49
建ぺい率は、足し算で増える。
同じ面積の土地でも、建てられる大きさは、ちがう。角にあるか、防火の指定があるか、前の道が広いか。数字は、そうやって上下する。
2つの数字の、意味
建ぺい率は、敷地面積に対する建築面積の割合。容積率は、敷地面積に対する延べ面積の割合である。用途地域ごとに、都市計画で上限が決まる。
建ぺい率60パーセント、容積率200パーセントの100平方メートルの敷地なら、建築面積は60平方メートルまで、延べ面積は200平方メートルまでになる。
角地は、+10パーセント。ただし指定が要る
建築基準法の第53条によれば、街区の角にある敷地などで、特定行政庁が指定したものは、建ぺい率が10パーセント加えられる。「角地なら誰でも」ではなく、指定が条件だ。
指定の基準は自治体ごとに違う。たとえば東京都板橋区の資料では、周辺の3分の1以上が道路などに接していること、などが基準に挙がっている。上の例で、角地の指定があれば、建ぺい率は70パーセントで、建築面積は70平方メートルまで。
防火の指定でも、+10パーセント
防火地域や準防火地域で、条件を満たす建築物にすれば、建ぺい率にさらに10パーセントが加わる。防火地域内の耐火建築物等、準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等が対象だ。2019年6月25日の改正で、対象が広がった。古い解説には「防火地域の耐火建築物だけ」とあるが、現行は違う。
角地の指定と防火の緩和の両方に当たれば、足し算で20パーセント。ただし、耐火建築物等にするための費用は、別にかかる。
前の道が狭いと、容積率は下がる
前面道路の幅員が12メートル未満のときは、容積率に別の上限がつく(法第52条)。住居系の地域では原則として、道路の幅員に10分の4をかけた値だ(特定行政庁の指定区域では10分の6)。
指定容積率が200パーセントの第一種住居地域で、前面道路が4メートルなら、4×4/10で160パーセント。指定の200パーセントより小さいので、160パーセントが上限になる。
数えないものも、ある
容積率の計算では、住宅の地階で天井が地盤面から1メートル以下のものは、住宅部分の床面積の合計の3分の1まで、延べ面積に算入しない。ビルトインガレージのような車庫は、各階の床面積の合計の5分の1まで算入しない。
注意したいのは、車庫の緩和は容積率だけで、建ぺい率には効かないこと。ロフトを床面積に入れない扱いは、Vol.8で書いたとおり、自治体の取扱いの話だ。
家を建てるなら
住宅プランナーは、建ぺい率と容積率を判定に使い、防火の指定による金額の差も示す。ただし、角地の指定など、土地ごとの確認が要る緩和は、住宅会社と役所で確かめてほしい。
土地の数字から、叩き台を描く
住所と家族の人数を入れると、建てられる大きさの見込みと間取りの叩き台、金額の幅が出ます。
間取りの叩き台をつくる無料。叩き台であり、最終的な可否と金額は住宅会社が決めます。
参考:建築基準法 第52条・第53条、同法施行令 第2条(e-Gov法令検索)、東京都板橋区「角地の建ぺい率の緩和」の資料(2026年3月改定)。
2026年10月10日確認
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