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住まいの言い分 Vol.14

No.37 / 49

手すりが1.1メートルでも、足場があれば越える。

バルコニーの手すりの高さは、図面で決まる。けれど、いちばん危ないのは、そのあとで、手すりのそばに置かれるものだ。

緑の木々を背に、手前に黒い手すりが伸びるバルコニー。
暗い手すりの向こうに、庭の緑。 写真:mdreza jalali/Unsplash/Unsplash License

条文は、1.1メートル

建築基準法施行令の第126条は、屋上広場や、2階以上の階にあるバルコニーの周囲に、安全上必要な高さが1.1メートル以上の手すり壁、さく、金網を設けるよう定めている。

ただし、この条は、施行令第117条により、特殊建築物、階数が3以上の建築物、延べ面積が1,000平方メートルを超える建築物などに限って適用される。一般的な2階建ての戸建ては、法令上は、直接の対象外だ。「すべてのバルコニーが義務」とは言えない。

それでも、事故は起きている

消費者安全調査委員会の報告書(2025年6月24日)によれば、6歳未満の子どもが、住宅の窓やベランダから転落して亡くなった事故は、1993年から2024年までに134件。うち窓が42件、ベランダが92件だった。ベランダでは、3歳が最多で、92件のうち41件を占める。

数字を、事実として受け止めたうえで、家づくりで何ができるかを考える。

格子の木の手すりのあるウッドデッキ越しに、緑と山が見える。
格子の木の手すりのある、デッキ。 写真:Lute/Unsplash/Unsplash License

足掛かりが、高さを下げる

同じ報告書は、2歳以下のベランダ転落死亡事故では、足掛かりが関与した可能性があるものが22件中22件だったとしている。実験の研究では、子どもの身長が105センチ以上のとき、足掛かりを手すりから約60センチ離さなければ、多くの子どもが110センチの手すりを乗り越えられる、とも引用されている。

110センチあれば安全、とは言えない。足掛かりがあれば、実質の高さは低くなる。

消費者庁の、3つの注意

消費者庁は、2020年9月の注意喚起で、窓やベランダの手すり付近に足場になるものを置かないこと、特にエアコンの室外機の置き場所を工夫すること、窓や網戸に、子どもの手の届かない位置に補助錠を付けることを挙げている。

調査委員会の報告書には、ベランダに室外機を置くときは、柵から60センチ以上離すか、上から吊るす、という対策も出てくる。

空を背景にしたバルコニーの手すりと観葉植物。
空を背に、手すりのあるバルコニー。 写真:Sebastian Schuster/Unsplash/Unsplash License

家を建てるなら

室外機をどこに置くか、物干しやプランターを、どこに置く前提か。これらは、図面を描くときに決めておけることだ。手すりの高さだけでなく、手すりのそばに「何も置かない」場所をつくっておくことが、設計の段階でできる。

住宅プランナーの判定は、バルコニーの安全までは見ていない。

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参考:建築基準法施行令 第117条・第126条(e-Gov法令検索)、消費者安全調査委員会「住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故」(2025年6月24日)、消費者庁「子どもの転落事故に注意」(2020年9月4日)。

2026年10月10日確認

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