インテリア ポール・ヘニングセン「PH5」1958年
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まぶしさのない光
重なり合う数枚の笠からなる白いペンダントライトは、住宅の写真のなかでたびたび食卓の上に見かける。デンマークの照明器具PH5である。本稿では、この器具がどのような問題を解くために考えられたのかをたどり、あわせて、住まいに取り入れる際に設計の段階で決めておくべきことを整理する。
1ポール・ヘニングセン
ポール・ヘニングセン(1894〜1967)は、照明の設計者であると同時に、建築家、批評家、編集者としても活動したデンマークの人物である。1920年に運河沿いの街灯を手がけた際、その光がまぶしいと批判されたことが、以後の照明研究の出発点になったと伝えられる。1926年にルイスポールセン社と契約を結び、亡くなるまで同社で照明器具の開発を続けた1。
ヘニングセンが到達したのが、いわゆる3枚シェードの方式である。光源の光をいったん笠で受け、反射させてから室内へ送り出す。笠の断面には対数螺旋の曲線が用いられ、光は一定の角度で導かれる。その結果、器具をどの方向から見ても、光源が直接目に入ることがない1。
21958年
PH5が発表されたのは1958年である。当時、白熱電球はその形や大きさが絶えず変わっており、器具に入れる電球が変わるたびに、まぶしさが生じるおそれがあった。PH5は、どのような電球を用いてもまぶしさが出ないように、という要請に応えるものとして設計された2。
光は真下の食卓を照らすだけでなく横方向にも広がり、器具そのものをやわらかく浮かび上がらせる。初期のPH5には、光の色味を整えるための赤と青の部品が組み込まれていた。のちの型ではこれが省かれたが、光の質に対する要求の高さをよく示している2。
3設計の段階で決めておくこと
ペンダントライトは入居後に選べばよいと考えられがちである。しかし吊る位置は、天井に設ける照明用の取付口によって決まり、この取付口は工事の段階で施工される。食卓の位置が定まらないまま工事を終えると、器具がテーブルの中心から外れることになる。
吊る高さは、テーブルの天板から60〜80センチメートルほどが目安とされる3。座ったときに向かいの人の顔が隠れず、笠の内側の光源も目に入りにくい高さである。
明るさを変えられるようにするかどうかも、早い段階で決めておきたい。調光のためのスイッチは壁の中の配線によって決まるため、工事の前に住宅会社へ伝える必要がある。食事を終えたあとに少し明かりを落とせるだけで、室内の印象は大きく変わる。
食卓の位置から、間取りを考える
住宅プランナーでは、住所と家族の人数から間取りの叩き台を描けます。LDKの広さと形が見えれば、食卓と照明の位置も決めやすくなります。
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注
- 「ポール・ヘニングセンとは」カンディハウス札幌。生没年、街灯への批判、対数螺旋、1926年の契約。https://sapporo.condehouse.co.jp/poul-henningsen/
- 「PH 5 Pendant Light」Louis Poulsen。1958年、電球の変化とまぶしさ、3枚シェード、赤と青の部品。https://www.louispoulsen.com/en-us/catalog/professional/decorative-lighting/pendants/ph-5
- 「ペンダントライトの吊り高さの考え方」flame。テーブルからの高さの目安。https://www.flame-product.com/about_flame/column/2022/05/in-life-vol004.html
- 「ルイスポールセン PH5 名作ペンダントライトの魅力」vanilla。名前の由来。https://vanilla-kagu.com/c/special/allabout-louispoulsen-ph5
2026年9月27日確認
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