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名作住宅に学ぶ

No.49 / 49

1階は迎える場所、2階は家族の場所。

駒場の森の中に、スクラッチタイルの壁の洋館が立つ。1階は晩餐会の部屋、2階は家族の寝室。旧前田家本邸は、ひとつの家の中で、迎える場所と暮らす場所を、階で分けた。

庭側から見た旧前田家本邸洋館の外観。アーチの並ぶテラスがある
庭側から見た洋館。アーチのテラス。 写真:Kachonomiyatei/「The former residence of marquis Maeda - Exterior view from the garden side.jpg」(Wikimedia Commons)/CC0

前田侯爵の自邸

東京都の資料によれば、この家は旧加賀藩主前田家の第16代当主・前田利為(侯爵)の自邸で、洋館は1929年(昭和4年)、和館は1930年に完成した。国指定文化財等データベースによると、洋館は鉄筋コンクリート造の2階建てに地下1階、建築面積は978.25平方メートル。

設計の監督は東京帝国大学教授の塚本靖。洋館を高橋貞太郎、和館を佐々木岩次郎が担当した。

アーチの車寄せをもつ旧前田家本邸洋館の玄関まわり
アーチの車寄せと、玄関。 写真:Kachonomiyatei/「The former residence of marquis Maeda.jpg」(Wikimedia Commons)/CC0

階で、使い方を分ける

東京都の資料によれば、1階は晩餐会や社交の場、2階は家族の生活の場で、寝室や婦人室、子ども部屋が並び、個室ごとに浴室があった。料理は地階の厨房から、料理用の昇降機で運ばれた。

外観はイギリスのカントリーハウスを思わせる意匠で、スクラッチタイルの壁と、とがった屋根の車寄せが目印になっている。

赤い絨毯が敷かれた旧前田家本邸洋館の階段ホール
赤い絨毯の、階段ホール。 写真:Syced/「旧前田家本邸 洋館 (19903).jpg」(Wikimedia Commons)/CC0

洋館だけの計画に、和館を足した

はじめは洋館だけの計画で、のちに外国からの客を迎えるための和館も計画された。洋館の南に芝の庭、和館には茶室があり、回遊式の庭が両者をつないでいる。

自分の家に持ち帰るなら

階で「見せる場所」と「くつろぐ場所」を分けること。小さな2階建てでも、1階を人を迎える場所、2階を家族の場所と決めると、来客のときに生活の気配を隠しやすい。

もうひとつは、将来足すかもしれないものの余白を、敷地に残しておくこと。この家も、あとから和館を足し、庭でつないだ。名作の図面をそのまま写して建てることは、著作権の上で問題になる場合がある。借りるのは考え方で、寸法や部屋割りではない。

彫りのある石造の暖炉と木の壁を備えた旧前田家本邸洋館の室内
彫りのある石の暖炉と、木の壁。 写真:Syced/「旧前田家本邸 洋館 (18193).jpg」(Wikimedia Commons)/CC0

この家を見に行くには

2013年8月7日に、8棟が国の重要文化財に指定された。洋館は東京都、和館と公園は目黒区が受け持っている。東京都と目黒区の案内(2026年10月時点)によれば、洋館と和館はどちらも無料。洋館は9時から16時で、月曜と火曜が休館(祝日は開館)、予約はいらない。和館は月曜休館。混み合う時間は入館を制限することがある。

2階建ての叩き台を描く

住所と家族の人数を入れると、この型で叩き台を描き、建つ見込みと金額の幅を示します。

「小さな総2階と吹抜け」で設計する

無料。叩き台であり、最終的な可否と金額は住宅会社が決めます。

参考:国指定文化財等データベース「旧前田家本邸」、東京都生涯学習情報「旧前田家本邸の歴史」、目黒区「駒場公園」。

2026年10月10日確認

国・自治体とは関係のない、民間のサービスです。